英総選挙、驚きの保守党圧勝を読み解くと|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)
2019年12月12日の英国総選挙はジョンソン首相率いる保守党の大勝に終わった。なぜ労働党は労働者に背を向けられたのか?その一因に、トランスジェンダーの存在があるという。
ジェレミー・コービン党首率いる労働党は、昔からの支持層だった、多くの一般労働者たちの代弁者の党、という原点からはるかに遠ざかってしまった。一例を挙げると、労働党は女性の政治進出を促すために、一部の選挙区で党の立候補者を女性に限定する制度を設けてきた。しかし労働党は、そのような選挙区の立候補者として「自らの性自認は女性だ」というトランスジェンダー女性(つまり、男性として生まれたが自分を女性だと認識している人)も受け入れることにした。労働党のある地方組織では、女性担当責任者をトランスジェンダーが務めていたりするくらいだ。女性の権利問題のために長年活動してきた労働党員の女性たちがこれに懸念を表明すると、彼女たちはトランスジェンダー差別だと非難された。
女性の懸念よりもトランスジェンダーへの配慮を優先したことが、労働党の敗北を招いたというのだ。
それが本当かはともかく、女性担当責任者がトランスジェンダーであることに懸念を表明しただけで、女性たちは差別者と非難されていたようだ。
これは女性への弾圧ではないだろうか?
そのようなことを肯定していた労働党が大敗を喫したことで、今後のイギリスはどのように変わっていくのだろうか。