アメリカ心理学会（APA）の電子メールディスカッショングループで、ある神経科学の教授が、性別は2つしかないと示唆したことや、過去の投稿に対する懸念から、投票によって追放されたと、College Fix紙が金曜日に報じました。
デューク大学のジョン・スタッドン心理学・神経科学教授は、APAのSBNCP（Society for Behavioral Neuroscience and Comparative Psychology）第6部門のリストサーブ(※複数の電子メールアドレスのうちのどれかにユーザが電子メールを送ると多くの人に届く、という形の電子メーリングリストソフトウェア)から解任されました。
スタッドン氏は、同部門のグループからの解任通知に対して、「科学者と思われる聴衆が、実際には性別が2つしかないという提案のような反対意見を取り上げることができないのは悲しいことだ」と述べた。「信じられない! でも、第6部門が多様な意見を受け入れようとしていないことを、本当に心配すべきだと思います」。
スタッドン氏によると、彼の投稿の中で “問題 “となったのは、「Hmm…」というタイトルのものでした。
“性別二元論は誤り？根拠は何ですか？Z染色体はあるのか？”
スタッドンはニューズウィーク誌に対し、4月15日にこの投稿を作成したと語っている。
「科学は、本当の科学は、政治から切り離すことができ、またそうすべきです。科学には確かに価値があります。好奇心、誠実さ、議論への開放性、経験的事実への固執などですが、それらは政治的なものではありませんし、そうあるべきでもありません」と彼はニューズウィークに書きました。
スタッドンによると、4月23日にこの部門のグループからの脱退を宣言するメールを受け取ったとのことです。それは、インディアナ大学ブルーミントン校のジョナサン・クリスタル学長（心理学・脳科学の教授）が、部門の会長トリオを代表して書いたものでした。
クリスタル氏は、メールの中にSBNCPの2019年の行動規範へのリンクを添付し、「部門のリーダーは、あなたが部門に送ったいくつかの投稿について苦情を受けました」と書いています。
クリスタルは、「長年にわたる苦情の範囲の詳細については言及したくありませんが、リストの読者がいくつかの投稿をどのように見ているかをあなたに認識してもらうために、執行委員会の多くのメンバーやその他の人々がリストサーブ上で公に懸念を表明したことを記します」と付け加えた後、執行委員会はリストサーブからスタッドンのメールアドレスを削除することを決議したと書いています。
「個人的に攻撃的だと思われるものは何もありませんでした」とスタッドンは古いメールを熟読した後に語っている。
ニューズウィークはクリスタル社にコメントを求めましたが、掲載までに返事はありませんでした。
「この事件は、一部の科学界が、性や人種に関連する問題についての反対意見を許容できない現状を示しています。心理学と社会学は、この点で特に問題があるようだ」と、スタッドンは「College Fix」に宛てたメールの中で書いています。
彼は最後に、APAを「ここ最近、衰退している」と非難しました。4月22日、彼はPsychology TodayにAPAのガイドラインについての記事を書き、APAは「科学者と実務者の両方」を危険にさらしていると批判しました。
“科学者にとって、言論の自由と探求の自由は必須条件です。APAはこれらを擁護し、最高の研究水準を目指すべきである」と記事に書いています。
SBNCPの 第6部門の行動規範で期待されている行動は、”すべての人に敬意と配慮をもって接すること “です。
行動規範では、「科学的な組織や学会においては、心理学的な科学の側面について、メンバーが強い意見の違いや異なる理論的視点を持つことは許容される」としています。「しかし、そのような違いや意見の相違は、他の人が脅迫されたり、卑下されたり、差別されたり、嫌がらせを受けたりすることのない方法で伝えることができます。オープンで思慮深いコミュニケーションをとり、自分とは異なる意見や見解にも配慮しましょう」。
なお、ニューズウィークはAPAにもコメントを求めましたが、掲載には間に合いませんでした。
性別は二つしかない、と示唆しただけで議論から追放されるとは、信じられないことですね。
スタッドン氏のいうように、Z染色体の存在を根拠なく信じなければならないのでしょうか。
さて、あなたは性別はいくつあると思っていますか？